\ 自己肯定感は捨てよう?/
ライフコーチでKindle作家、けんいちさん @ken1_lifecoach の新刊読みました。自己肯定感を上げることに疲れてしまったあなたへ。自分のことをもっと知り、好きになる方法を本書で身につけましょう👇
『 自己肯定感は捨てよう 』
【 人生は捉え方が9割 】
「 事実というものは存在しない。
存在するのは解釈だけである 」
これは、哲学者のニーチェの言葉です。
「 ネガティブなことが起こった時に、どう捉えるか、どう反応するかが、行き過ぎた自己肯定感よりも大切 」だと著者は本書で主張します。
一般的に、世の中では、
「 人生の中でポジティブこととネガティブなことの総量は一緒。ポジティブなことが起こった分、ネガティブなことも起こる 」
と言われています。
「 正負の法則 」「 振り子の法則 」などとも表現されていますね。
良いところばかりに焦点を充てる自己肯定感というのは、ネガティブなことが起こった時に、脆く崩れ去ってしまうと言います。
つまり、ポジティブだけではなく、ネガティブなことにも耐えられる、自己を受容する力が必要となってきます。
ありのままを受け入れる力、フラットな“ 物の見方、捉え方 ”の方が、自己肯定感よりも大切だと著者は語ります。
【 人生は捉え方が9割 】
この言葉がしっくりとくるエピソードがあります。
経営の神様・松下幸之助氏が、成功の秘訣として語られた次の言葉が有名です。「 貧乏だったから 」「 病弱だったから 」「 学歴がなかったから 」自分は成功できた、と話されました。
何かが起こったとき、それをポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかは人それぞれになります。
例えば、人によっては雨の日を「 育てている作物の恵みだ 」と喜ぶ人もいるし「 服が濡れて嫌だ 」と落ち込む人もいます。
この世の中は、ポジティブなことが起こった分、ネガティブなことも起こるのです。
ネガティブな面を避けようとする自己肯定感を育むよりも、ありのままを受け入れる力、フラットな“ 物の見方、捉え方 ”が大切になってきます。
【 大谷翔平選手は捉え方のプロ 】
大谷翔平は、ポジティブにもネガティブにも捉われない、バランスの取れた自己肯定感の持ち主だと著者は言います。一流と呼ばれる人には、どちらか一方に偏らない心。ブレない心の軸を持っていると言います。
とあるスポーツライターとのやり取りで、その考え方がわかる事例があるそうです。
スポーツライターが「 座右の銘はありますか?」と大谷選手に質問したところ「座右の銘はないです。」と大谷選手は応えたそうです。
「 座右の銘もそういう言葉があれば、また逆の言葉もあるので。そっちだけにフォーカスして捉えていくと、別の捉え方ができなくなる、吸収出来なくなるので 」
とインタビューで応えたそうです。
どちらか一方に偏らない心。プラスもマイナスもフラットに捉える心。真ん中を保つことが大切になります。
例えば世の中には「 善は急げ 」ということわざもあれば「 石の上にも三年 」という正反対のようなことわざもあります。
「 善は急げ 」ということわざだけに捉われず、腰を据えて「 石の上にも三年 」という言葉も、自分の中に取り入れる必要があるのです。
この考え方は、『 論語 』を書いた古代中国の偉人・孔子や、西洋の哲学者のアリストテレスの説く、中庸(ちゅうよう)、中間を保つという考え方にも繋がると言います。
【 孔子、アリストテレスの説く自己肯定感 】
起こる出来事に意味は存在しません。その出来事が良いことか悪いことかは、それを感じる人の価値観によると言われます。出来事は常にニュートラルに、フラットに捉える心が、本当の意味での自己肯定感だと著者は言います。
本書は、一貫してアドラー心理学をベースに、自分軸の持ち方について語ってきた著者の集大成となっています。
自己肯定感を上げることに疲れてしまったあなたへ。自分のことをもっと知り、好きになる方法を本書で身につけましょう。